英日翻訳ソフト=チューニング・メルマガ【No.176】

── PR ──
 「The翻訳プロフェッショナル V15」 ¥56,176
http://amazon.co.jp/o/ASIN/B005IHLNGK/aptra-22/ref=nosim

 「英辞郎 第六版」 ¥2,940
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4757419856/aptra-22/ref=nosim

 「超字幕/ユー・ガット・メール (キャンペーン版)」 ¥1,589
http://amazon.co.jp/o/ASIN/B003O69KEO/aptra-22/ref=nosim
── PR ──

■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
   英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!

     No.176  2012.04.25   http://www.aptransways.net/
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■

バックナンバー → http://www.aptransways.net/mmagtop.htm


読者の皆様、ご購読ありがとうございます。
メルマガ発行者の kawa です。


今回の例文は IT 関係の技術文で、コンピュータのマニュアルなどで
見かけそうな例文です。


今回の例文とその目標訳
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

【例文】

The keyword value can be a single value or subfield or a list of
values or subfields.

【目標訳】

キーワードの値は、1つの値またはサブフィールドになるか、あるいは
複数の値またはサブフィールドのリストになることがあります。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

上の例文を翻訳ソフト(T社製)の初期設定で翻訳すると、次のような
訳文が出力されました。


【初期設定での翻訳結果】

「キーワード価値は、単一の値か下位分野、あるいは値または下位分野の
リストになりえます。」

△△ ほとんど意味不明です。


原文では "or" が多用されているので一見してわかりづらく見えますが、
単数形と複数形の違いに注目すれば、意味を解釈しやすくなると思います。

訳出文の方はこのままでは意味不明ですが、構文解釈上の問題はなさそう
なので、ユーザー辞書に適訳語を登録するだけでもそこそこ使える訳文に
なりそうな予感がします。


とりあえず訳語の問題を解消するために、以下の単語(複合語)を
ユーザー辞書に登録します。


∇∇∇

keyword value (名詞)  キーワードの値
subfield    (名詞)  サブフィールド (←学習機能を使用)

これにより、翻訳結果が次のように変化します。


【ユーザー辞書登録後の翻訳結果】

「キーワードの値は、単一の値かサブフィールド、あるいは値または
サブフィールドのリストになりえます。」

この分野の専門知識を持っている人が読めば、もうこれで本来の意味を
推測できると思われますが、まだわかりづらい箇所は残っています(特に
後半部分)。


--------------------------------------------
(注) 高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ
機能)や、変数指定型例文登録機能(パターンマッチ機能)などを使用し
て翻訳結果をチューニングする方法もありますが、このメールマガジン
では、あくまでも翻訳エンジンとユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定
した場合に、どこまでできるかをテーマとしたいと思います。
--------------------------------------------


そこで、この訳出文をもう少しわかりやすくするために、筆者の
Web サイトに用意した訳出文リライトツール(デモ版)を使って
この訳文を書き直してみます。


上記の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテキストエリアに貼り付
けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてみてください。

http://www.aptransways.net/APT.htm

すると、訳文が次のように書き直されます。


【訳文の自動リライト結果】

「キーワードの値は、単一の値かサブフィールド、あるいは値または
サブフィールドのリストになることがあります。」

この例文の場合、これ以上わかりやすい日本語を自動的に出力させるのは
なかなか難しいのですが、それは、日本語には単数形と複数形を明確に
区別する習慣がないことと関係していると思います。

原文では、"value" や "subfield" という単語が単数であるのか複数で
あるのかが意味を理解する上で重要なポイントになっているので、
日本語を書き起こす場合にもそれらの単語が単数なのか複数なのかを
明示することで、日本語がわかりやすくなります(残念ながら翻訳ソフト
にはそこまで細かな配慮をする機能はないようです)。

そこで最後に、このリライト結果を自分の手で再修正します。


∇∇∇ 修正例

「キーワードの値は、1つの値またはサブフィールドになるか、あるいは
複数の値またはサブフィールドのリストになることがあります。」


--------------------------------------------
※ 訳出文リライトツールには多少の柔軟性を持たせてありますので、
試しに名詞や動詞などを別の単語に変更してみるとどうなるか、遊んで
みてください。

【翻訳ソフトを持っていない方は......】
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

今現在、手元に翻訳ソフトを持っていない方は、次の方法を試してみて
ください。

(1) 今回の例文を、以下の無料翻訳サイトで日本語に翻訳させる。

・Fresh eye 翻訳
http://www.fresheye.com/translate/

・Excite 翻訳
http://www.excite.co.jp/world/


(2) 翻訳結果(日本語)を、以下のページで自動リライトする。

・T社製翻訳ソフト対応リライトツール(Tバージョン)
http://www.aptransways.net/APT.htm


辞書のチューニングができない分、翻訳結果に問題が残りますが、それで
も少しは翻訳結果が改善するのを確認できると思います。

―――――――<このメールマガジンについて>―――――――――――
このメールマガジンでは、毎回さまざまな英文を翻訳ソフトに翻訳させて、
ユーザー辞書のチューニングや自作ツールによって翻訳品質が大幅に改善
する事例を紹介しています。例文は、一般文、時事英文(ニュース記事)、
技術文(IT 分野を中心とした理科系全般)など、さまざまな分野の英文
から選んでいます。

バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm
ご意見・ご感想・ご要望は → kawa@aptransways.net
―――――――――――――――――――――――――――――――――

□―――――――□
  編集後記
□―――――――□

英日翻訳ソフトを使用する上で注意が必要なポイントはたくさんあります
が、今回の例文にあるように単数形と複数形の違いを明確に区別しない
まま訳されてしまうことが多いのもその 1 つです。

英語は単数と複数の違いを強く意識する言語で、これが違うだけで文の
意味が違ってしまうことも多いので、和訳するときにはその違いを意識
した上で訳文の中に反映させる必要があります。

翻訳ソフト(機械翻訳)は現状ではまだそこまで細かい配慮ができない
ことがほとんどなので、使用する人間の側でよく注意する必要があります。
翻訳対象の分野によってはあまり問題にならない場合もあるかと思います
が、特に理科系の翻訳では要注意です。


次回は、5月4日(金)から 5月11日(金)の間のどこかで配信する予定
です。


↓ 英日・日英翻訳ソフトに関するクリックアンケートの最新状況!
http://www.aptransways.net/qnaire.htm


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!  No.176
発行者: kawa
サイト: http://www.aptransways.net/
メール: kawa@aptransways.net
バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm
RSS フィード: http://www.aptransways.net/mmagbn/atom.xml
Twitter: http://twitter.com/kawa57
発行システム: 『まぐまぐ!』『Melma!』『独自配信』
配信解除: 以下のアドレスから読者様ご自身でお願いいたします。

○まぐまぐ(ID:0000185648)
  http://www.mag2.com/m/0000185648.html
○Melma!(ID:150733)
  http://www.melma.com/backnumber_150733/
○独自配信の方は、このメルマガに対して「配信解除希望」という件名の
 空メールを返信していただければ、配信を停止いたします。

無断転載禁止ですが、メール転送は OK です。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞