英日翻訳ソフト=チューニング・メルマガ【No.268】

── PR ──
 「ATLAS 翻訳スタンダード V14.0」 ¥57,558
http://amazon.co.jp/o/ASIN/B000ZKGD6K/aptra-22/ref=nosim

 「E-DIC 英和|和英 (イーディック) 第2版 CD-ROM 」 ¥3,024
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4255005125/aptra-22/ref=nosim

 「スター・ウォーズ英和辞典 ジェダイ・ナイト編」 ¥2,052
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4053042380/aptra-22/ref=nosim
── PR ──

■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
   英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!

     No.268  2015.12.17   http://www.aptransways.net/
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■

バックナンバー → http://www.aptransways.net/mmagtop.htm


読者の皆様、ご購読ありがとうございます。
メルマガ発行者の kawa です。


今回の例文は IT 関係の技術文で、コンピューターやソフトウェアの
マニュアルなどで見かけそうな例文です。


今回の例文とその目標訳
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

【例文】

This chapter provides information needed to call functions written
in X language.

【目標訳】

この章では、X言語で書かれた関数の呼び出しに必要な情報について
説明します。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

上の例文を翻訳ソフト(F社製)の初期設定で翻訳すると、次のような
訳文が出力されました。


【初期設定での翻訳結果】

「本章はX言語で書かれた機能と呼ぶのに必要である情報を提供します。」

△△ ほとんど意味不明です。


英文は極めてシンプルなのに、出力された訳出文はまったく日本語に
なっていません。

この例文はマニュアルの中の各章の先頭部分に使われることが多い
パターンの文ですが、"function" という単語の訳語が要注意ポイント
です。

IT 分野の技術文における "function" は、

ハードウェアの説明文では「機能」という訳語が適訳語になり、
ソフトウェアの説明文では「関数」という訳語が適訳語になるのが
一般的です。

"function" という単語が「機能」という意味で使われているのか、
「関数」という意味で使われているのかは、文脈を見ながら正しく
訳し分ける必要があります。

上の例文はソフトウェアの説明文なので、"function" は「関数」という
意味で使われています。

翻訳ソフトでは、そうした正しい訳し分けができないことも起こりうる
ので、人間(翻訳者)によるチェックと修正が欠かせません。


∇∇∇

とりあえず、訳語の問題を解消するために以下の単語(複合語)を
ユーザー辞書に登録します。


this chapter (名詞)  この章
call     (動詞)  呼び出す (←学習機能を使用)
function   (名詞)  関数 (←学習機能を使用)

これにより、翻訳結果が次のように変化します。


【ユーザー辞書登録後の翻訳結果】

「この章はX言語で書かれた関数を呼び出すのに必要である情報を提供
します。」

"this chapter" の部分は「本章」でも間違いではありませんが、
ソフトウェア関係のマニュアルでは「この章」という表記を使用するように
指定されることが多いので、ここでは「この章」に変更しました。

ハードウェア関係のマニュアルでは、逆に「本章」の方がよく使われる
かもしれません。


少なくともこれで本来の意味を推測しやすくなったかと思いますが、
日本語としてはどうもまだ奇妙です。

日本語として奇妙に見えてしまう原因は、この文が英語特有の無生物主語で
始まっていることと、動詞 "provide" を直訳してしまっていることに
ありそうです。

動詞 "provide" は技術文では頻繁に目にする動詞の
定番で、「供給する」や「提供する」などの直訳でも意味が通じる場合も
ありますが、意訳が必要になるケースが非常に多い動詞です。

今回の例文でも、軽く意訳した方がより自然な日本語になりそうです。


--------------------------------------------
(注) 高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ
機能)や、変数指定型例文登録機能(パターンマッチ機能)などを使用し
て翻訳結果をチューニングする方法もありますが、このメールマガジン
では、あくまでも翻訳エンジンとユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定
した場合に、どこまでできるかをテーマとしたいと思います。
--------------------------------------------


構文解析型の機械翻訳ソフト(ルールベースの翻訳エンジン)が、人間の
翻訳者並みの意訳をするのはかなり困難です。

そこで、筆者の Web サイト上に用意している訳出文リライトツールの
出番です。このツール(デモ版)を使って、今回の訳出文を書き直して
みます。


上記の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテキストエリアに貼り付
けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてみてください。

http://www.aptransways.net/APF.htm

すると、訳文が次のように書き直されます。


【訳文の自動リライト結果】

「この章では、X言語で書かれた関数を呼び出すのに必要な情報について
説明します。」

一気にわかりやすくなったのではないでしょうか。

最後に、このリライト結果を自分の手で再修正します。


∇∇∇ 修正例

「この章では、X言語で書かれた関数の呼び出しに必要な情報について
説明します。」


--------------------------------------------
※ 訳出文リライトツールには多少の柔軟性と汎用性を持たせて
ありますので、試しに名詞や動詞などを別の単語に変更してみると
どうなるか、遊んでみてください。

―――――――<このメールマガジンについて>―――――――――――
このメールマガジンでは、毎回さまざまな英文を翻訳ソフトに翻訳させて、
ユーザー辞書のチューニングや自作ツールによって翻訳品質が大幅に改善
する事例を紹介しています。例文は、一般文、時事英文(ニュース記事)、
技術文(IT 分野を中心とした理科系全般)など、さまざまな分野の英文
から選んでいます。

バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm
ご意見・ご感想・ご要望は → kawa@aptransways.net
―――――――――――――――――――――――――――――――――

□―――――――□
  編集後記
□―――――――□

今回のメルマガの配信準備をしていて気づいたことですが、
「@nifty 翻訳」(http://honyaku.nifty.com/)の翻訳エンジンが
10 月以降のどこかの時点でF社製(富士通製)からK社製(高電社製)に
変更になったようです。

翻訳エンジンのメーカーが変更されたということは、これまでとは
異なった翻訳結果になるので、時々利用するのであれば知っておいた
ほうがいいかと思います。

今後は、「Excite 翻訳」と同じ翻訳結果になるはずです。


さて、

いつの間にか今年もあと 2 週間となりました。少し早いかもしれません
が、この号が今年最後の配信になります。今年 1 年間ご購読いただき、
ありがとうございました。

新年 1 回目の配信予定日はまだ決めていませんが、たぶん 1 月の
第 3 週頃(中旬頃)に配信することになると思います。

読者の皆様もどうぞ良い年をお迎えください。
来年もまたよろしくお願いいたします。


↓ 英日・日英翻訳ソフトに関するクリックアンケートの最新状況!
http://www.aptransways.net/qnaire.htm


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!  No.268
発行者: kawa
サイト: http://www.aptransways.net/
メール: kawa@aptransways.net
バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm
RSS フィード: http://www.aptransways.net/mmagbn/atom.xml
Twitter: http://twitter.com/kawa57
発行システム: 『まぐまぐ!』『Melma!』『独自配信』
配信解除: 以下のアドレスから読者様ご自身でお願いいたします。

○まぐまぐ(ID:0000185648)
  http://www.mag2.com/m/0000185648.html
○Melma!(ID:150733)
  http://www.melma.com/backnumber_150733/
○独自配信の方は、このメルマガに対して「配信解除希望」という件名の
 空メールを返信していただければ、配信を停止いたします。

無断転載禁止ですが、メール転送は OK です。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞