■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■ 英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる! No.020 2006.06.25 http://www.aptransways.net/ ■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■ バックナンバー → http://www.aptransways.net/mmagtop.htm 読者の皆様、ご購読ありがとうございます。 メルマガ発行者の kawa です。 今回は、コンピュータ関係の技術文を翻訳してみます。 この例文は、マニュアルなどの説明文ではかなり頻繁に目にする定型文 です。 今回の例文とその目標訳 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【例文】 This chapter describes how to install the software products. For more information on product modules to be installed, see "Appendix A." 【目標訳】 この章では、ソフトウェア製品のインストール方法について説明します。 インストールされる製品モジュールの詳細については、「付録A」を参照 してください。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 上の例文を翻訳ソフト(A社製)の初期設定で翻訳すると、次のような 訳文が出力されました。 【初期設定での翻訳結果】 「この章はどのようにソフトウェアプロダクトを設置するかを描写し ます。設置されるための製品モジュールの上のより多くの情報のために、 「付録A.」を見てください。」 △△ かなりわかりにくいです。 そこで、以下の単語をユーザー辞書に登録します。 このとき、必要に応じて訳語選択や学習機能も使用します。 software product (名詞) ソフトウェア製品 install (動詞) インストールする (注: 今回使用した翻訳ソフトでは、学習機能を装備しているのにうま く機能してくれない場面が目立ちました。何回かリトライしてもうまく 学習してくれないので、一部は単語登録に変更し、一部は自動リライト ツールで書き直すことにしました。) すると、翻訳結果が次のように変化します。 【ユーザー辞書登録後の翻訳結果】 「この章はどのようにソフトウェア製品をインストールするかを描写し ます。インストールされるための製品モジュールの上のより多くの情報の ために、「付録A.」を見てください。」 ↑ 単語レベルでは少しだけ目標訳に近づきましたが、基本的にはまったく 不完全です。 もう少しどうにかして目標訳に近づけたいのですが、ユーザー側でできる 翻訳結果のチューニングは、普通はここまでです。 ---------------------- (注) 高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ 機能)や、変数指定型例文登録機能(パターンマッチ機能)などを使用し て翻訳結果をチューニングする方法もありますが、このメールマガジン では、あくまでも翻訳エンジンとユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定 した場合に、どこまでできるかをテーマとしたいと思います。 ---------------------- 通常は、この結果で妥協するしかないわけですが、これをもう少し読みや すくするために、ここで筆者の Web サイトに用意した訳出文リライト ツール(試作版)を使ってこの訳文を書き直してみます。 上記の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテキストエリアに貼り付 けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてみてください。 http://aptransways.net/APA.htm すると、訳文が次のように書き直されます。 【訳文の自動リライト結果】 「この章では、ソフトウェア製品のインストール方法について説明し ます。インストールされる(ための)製品モジュールの詳細については、 「付録A.」を参照してください。」 いかがでしょうか?。かなりわかりやすくなったのではないでしょう か?。 あとは、ユーザーが必要に応じて再修正することになるかと思います。 この訳出文リライトツールには多少の柔軟性を持たせてありますので、 試しに名詞や動詞などを別の単語に変更してみるとどうなるか、遊んでみ てください。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ■「メルマガ相互紹介」募集中です! ご希望の方はこちらまでご連絡ください。 kawa@aptransways.net 発行部数にはこだわりません。 創刊後であれば OK です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ―――――――<このメールマガジンについて>―――――――――――\n このメールマガジンでは、毎回さまざまな英文を翻訳ソフトに翻訳させて、 ユーザー辞書のチューニングや自作ツールによって翻訳品質が大幅に改善 する事例を紹介しています。例文は、一般文、時事英文(ニュース記事)、 技術文(IT 分野を中心とした理科系全般)など、さまざまな分野の英文 から選んでいます。 バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm ご意見・ご感想・ご要望は → kawa@aptransways.net ―――――――――――――――――――――――――――――――――\n □―――――――□ 編集後記 □―――――――□ 翻訳ソフトの学習機能は便利な機能ですが、製品によっては思うように 学習してくれなかったり、学習のさせ方にも製品別に違いがあるようで す。 単語の優先度を上げるだけの単純な処理しかしていない製品もあれば、 もっと高度な学習をさせている製品もあります。 これについては、何かの機会にどこかにまとめてみたいとも感じています。 次回配信は、7月1日(土)の予定です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる! No.020 発行者: kawa サイト: http://www.aptransways.net/ メール: kawa@aptransways.net バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm 発行システム: 『まぐまぐ!』と『Melma!』から発行しています。 配信解除は以下のアドレスから読者様ご自身でお願いいたします。 まぐまぐ(ID:0000185648) http://www.mag2.com/m/0000185648.html Melma!(ID:150733) http://www.melma.com/backnumber_150733/ 無断転載禁止ですが、メール転送は OK です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞