■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■ 英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる! No.028 2006.08.13 http://www.aptransways.net/ ■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■ バックナンバー → http://www.aptransways.net/mmagtop.htm 読者の皆様、ご購読ありがとうございます。 メルマガ発行者の kawa です。 今回は、IT 関係の技術文を翻訳してみます。 今回の例文は、第 2 号で紹介した例文と基本的には同じ構文です。 今回の例文とその目標訳 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 【例文】 This warning message permits the administrator to verify that the user is authorized to request the new feature before execution of the command begins. 【目標訳】 この警告メッセージを見て、管理者は、新機能を要求する権限がユーザー に与えられているかどうかをコマンドの実行が始まる前に確認することが できます。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 上の例文を翻訳ソフト(F社製)の初期設定で翻訳すると、次のような 訳文が出力されました。 【初期設定での翻訳結果】 「この警告メッセージは、管理者が、コマンドの実行が始まる前にユーザ が新機能を要求するのに権限を与えられることを確かめることを許可しま す。」 △△ 何だかわけがわかりません。 第 2 号の繰り返しになりますが、この構文は、マニュアルなどの技術 文書ではかなり頻繁に見かけます。無生物主語で始まって、今回は動詞 の permit 以降に何ができるかを記述しています。 この permit と同じような使い方をする動詞に、他にも、enable、allow、 let などがあり、やはり技術文書ではよく使われます。 無生物主語で始まる英文を翻訳ソフトで直訳しても、自然な日本語になら ないことがほとんどです。日本語では無生物を主語にする習慣が英語ほど ではありませんので...。 とりあえず、以下の単語をユーザー辞書に登録します。 このとき、必要に応じて訳語選択や学習機能も使用します。 user (名詞) ユーザー (←学習) (注:今回は単語を 1 個学習させただけでした) すると、翻訳結果が次のように変化します。 【ユーザー辞書登録後の翻訳結果】 「この警告メッセージは、管理者が、コマンドの実行が始まる前に ユーザーが新機能を要求するのに権限を与えられることを確かめることを 許可します。」 ↑ 当然ですが、単語 1 個の表記が変化しただけで、ほとんど元のまま です。 もう少しどうにかして目標訳に近づけたいのですが、ユーザー側でできる 翻訳結果のチューニングは、普通はここまでです。 ---------------------- (注) 高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ 機能)や、変数指定型例文登録機能(パターンマッチ機能)などを使用し て翻訳結果をチューニングする方法もありますが、このメールマガジン では、あくまでも翻訳エンジンとユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定 した場合に、どこまでできるかをテーマとしたいと思います。 ---------------------- 通常は、この結果で妥協するしかないわけですが、これをもう少し読みや すくするために、ここで筆者の Web サイトに用意した訳出文リライト ツール(試作版)を使ってこの訳文を書き直してみます。 上記の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテキストエリアに貼り付 けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてみてください。 http://aptransways.net/APF.htm すると、訳文が次のように書き直されます。 【訳文の自動リライト結果】 「この警告メッセージを見て、管理者は、コマンドの実行が始まる前に ユーザーに新機能を要求する権限が与えられているかどうかを確認する ことができます。」 いかがでしょうか?。目標訳と多少語順が異なる部分もありますが、 かなりわかりやすくなったのではないでしょうか?。 あとは、必要に応じてユーザーが自分の手でこの修正文を再修正すること になるかと思います。 訳出文リライトツールには多少の柔軟性を持たせてありますので、試しに 名詞や動詞などを別の単語に変更してみるとどうなるか、遊んでみてくだ さい。 【翻訳ソフトを持っていない方は......】 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 今現在、手元に翻訳ソフトを持っていない方は、次の方法を試してみて ください。 (1) 今回の例文を、以下の無料翻訳サイトで日本語に翻訳させる。 ・Excite 翻訳 (powered by BizLingo) http://www.excite.co.jp/world/ (2) 翻訳結果(日本語)を、以下のページで自動リライトする。 ・F社製翻訳ソフト対応リライトツール(Fバージョン) http://aptransways.net/APF.htm 辞書のチューニングができない分、翻訳結果に問題が残りますが、それで も少しは翻訳結果が改善するのを確認できると思います。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ■「メルマガ相互紹介」募集中です! ご希望の方はこちらまでご連絡ください。 kawa@aptransways.net 発行部数にはこだわりません。 創刊後であれば OK です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ―――――――<このメールマガジンについて>―――――――――――\n このメールマガジンでは、毎回さまざまな英文を翻訳ソフトに翻訳させて、 ユーザー辞書のチューニングや自作ツールによって翻訳品質が大幅に改善 する事例を紹介しています。例文は、一般文、時事英文(ニュース記事)、 技術文(IT 分野を中心とした理科系全般)など、さまざまな分野の英文 から選んでいます。 バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm ご意見・ご感想・ご要望は → kawa@aptransways.net ―――――――――――――――――――――――――――――――――\n □―――――――□ 編集後記 □―――――――□ 多くの方が夏休みに入っていらっしゃることと思いますが、なぜか筆者は 毎年今頃が一番忙しかったりします。 次回配信は、8月20日(日)の予定です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる! No.028 発行者: kawa サイト: http://www.aptransways.net/ メール: kawa@aptransways.net バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm 発行システム: 『まぐまぐ!』と『Melma!』から発行しています。 配信解除は以下のアドレスから読者様ご自身でお願いいたします。 まぐまぐ(ID:0000185648) http://www.mag2.com/m/0000185648.html Melma!(ID:150733) http://www.melma.com/backnumber_150733/ 無断転載禁止ですが、メール転送は OK です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞